RayNeo Air 3s 身体障害者レビュー

【ARグラス】身体障害者が RayNeo Air 3s を約2ヶ月使ってみたレビュー

みなさんこんにちは、たいくんです。
2025年4月にTCLから発売された新しいARグラス「RayNeo Air 3s」を使い始めて約2ヶ月経過したので、実際に使ってみてどう感じたのか、以前使っていたXREAL Airと比較しつつ、RayNeo Air 3sの良いと感じたところと残念だと感じたところをレビューします。

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前置き

RayNeo Air 3sを購入するまでの流れと、なぜRayNeo Air 3sを選んだのかについて紹介します。

レビューのみを見たい方は前置きを飛ばしてください。

XREAL Airが壊れてしまった

以前、XREALのXRグラスであるXREAL Air(当時はNreal Air)をレビューしましたが、購入してから毎日使っていたところ、テンプル部分が折れて壊れてしまいました…
壊れた後も2度ほど修理に出して使っていたのですが、修理しても3ヶ月ほどで全く同じところが折れてしまい、使えなくなってしまいました。

修理してから3ヶ月で壊れてしまったため、再び修理に出してもまたすぐに壊れてしまうだろうと思い、新しいAR / XRグラスを購入することにしました。

RayNeo Air 3sを選んだ理由

XREAL Airが折れたのは2025年の1月ごろで、まだRayNeo Air 3sが発売されていませんでした。

新しく購入するARグラスの候補として、XREAL Airの不満点が改善されていそうかつ耐久性も高そうな前世代であるRayNeo Air 2sを見つけ、なかなか良さそうだと思っていました。
しかも、ちょうどRayNeo Air 2sが割引されていたので買おうか悩んでいたのですが、様々なレビューを見ていたところ、映像の端がぼやけたりグラス側の設定が保存されず、ケーブルを抜き差しすると設定がリセットされてしまったりといったネガティブなレビューが目立つように感じたため、なかなか購入には踏み切れませんでした。
そのため、XREAL Airの折れた部分をテープでぐるぐる巻きにして騙し騙し使っていたのですが、そんな中、前世代から性能が改善され、より低価格になったRayNeo Airシリーズの新モデル「RayNeo Air 3s」が4月に発売されるという情報を見つけたため、こちらを購入することにしました。

購入の決め手となったのは以下の点です。

  • 前世代であるRayNeo Air 2sの内蔵スピーカー音質の評価が高かった
    • 新しいモデルでも同様ではないかと考えた
  • 前世代の問題点だったディスプレイの端がぼやける問題が改善されたと公式が謳っている
  • テンプル部分の耐久性が高そうに見えた
  • 価格が安かった
  • かっこいいデザイン

この中でも、最大の決め手は価格です。
当時探していた耐久性が高そうなAR / XRグラスはどれも5万円以上するものばかりで、なかなか気軽に買えるような値段ではありませんでした。

そんな中登場したRayNeo Air 3sのAmazon価格は、発売記念クーポンと合わせて32,999円という、AR / XRグラスの中ではかなり安い価格でした。
クーポンなしの価格でも39,999円と、最新世代のAR / XRグラスの中では最安クラスではないかと思います。

この低価格で音質も良いと考えたら、かなりお得ではないかと思い、速攻で注文しました。

視力矯正レンズも注文した

私は視力が悪く、視力矯正レンズがなければ何も見えないため、同時に視力矯正レンズも注文しました(XREAL Air用の視力矯正レンズとは互換性がありません)。

以前XREAL Airの視力矯正レンズを注文したところと同じJUN GINZAでレンズを作製していただきました。
当時のJUN GINZAのページではRayNeo Air 2用のレンズしか説明がなく、新しいRayNeo Air 3sでも作製していただけるか心配だったため問い合わせしたところ、RayNeo Air 3s用のレンズであることを記載していれば問題ないとのご返答をいただきましたので注文しました。

レンズ(スタートアップ 単焦点 / 薄型)が7480円と「度数特殊加工料金」の5500円、送料1100円を合わせて14,080円でした(すべて税込み)。
記事執筆時点でページを確認したところ、レンズが7480円から7810円に少しだけ値上げしているようです。

レンズを注文してから完成品が届くまで9日ほどでした。

重要なお知らせ:お仕上がり期間につきまして
いつもご利用いただき誠にありがとうございます。
現在、多くのご注文をいただいており、加工状況が混雑しているため、当面の間お仕上がりまでの期間を10日間から20日間に変更させていただきます。

お客様にはご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんが、品質を最優先に制作を進めております。何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
今後もより良いサービスをご提供できるよう努力してまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

JUN GINZAのページではお知らせとして「当面の間お仕上がりまでの期間を10日間から20日間に変更させていただきます。」と書かれていたので、それを考えると早い方だと思います。
以前XREAL Airのレンズを注文した時よりも長くかかりましたが、その時と比べてAR / XRグラスを使う人がとても多くなったと思いますし、それに伴って視力矯正レンズの需要も増えたのだと思います。

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XREAL Airとの違い

以前使用していたXREAL AirとRayNeo Air 3sの違いは以下の通りです。比べた際に優れている方を太字にしています。

XREAL AirRayNeo Air 3s
トラッキング3DoF0DoF
スピーカー2個4個
マイク2個0個
重量79g78g
視野角46°47°
最大輝度400ニト650ニト
OSDなしあり

これらの違いについて見ていきます。

トラッキングセンサー

頭の動きをトラッキングするセンサーですが、RayNeo Air 3sにはセンサーが搭載されていません。
そのため、頭の動きに応じて映像を動かしたり、仮想空間に複数のディスプレイを並べて使うといった事には対応していません。
分類も異なり、XRグラスに分類されるXREAL Airに対して、RayNeo Air 3sはARグラスに分類されます。

スピーカー

RayNeo Air 3sを斜め後ろから見たところ。テンプルの上側にもスピーカーの穴が付いている

XREAL Airには左右に1つずつ、計2つのスピーカーが搭載されていますが、RayNeo Air 3sは倍の左右に2つずつ、計4つのスピーカーが搭載されています。
これにより、「よりシャープな高音、より豊かな中音、そしてより深みのある低音」を実現したとしています。

また、RayNeo Air 3sには「ウィスパーモード 2.0」という機能が搭載されており、これをオンにすることで音漏れを軽減させることができるようです(自分はこの機能を使う機会がないため、今回はこの機能のレビューは行いません)。

マイク

XREAL Airにはマイクが付いていますが、実はRayNeo Air 3sにはマイクが搭載されていません。

そもそも、グラスに付いているマイクを使う機会はほとんどないですし、XREAL Airに搭載されていたマイクはあまり音質が良いものではなかったため、正直、個人的にはグラスにマイクが付いていてもついていなくてもどちらでも良いかなと思います(スマートフォンに搭載されているマイクの方がよっぽど音質が良いと思います…w)。

ディスプレイの最大輝度

XREAL Airの400ニトに対し、RayNeo Air 3sは650ニトと、250ニト明るくなっています。
この違いがどのくらいあるのかについては後ほどのレビューで紹介します。

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OSD機能

RayNeoシリーズのOSD画面

XREAL AirにはOSD(オンスクリーンディスプレイ)は搭載されていませんが、RayNeo Air 3sには上記画像のようなOSDが搭載されており、メニューボタンを押すことで表示することができます。
OSDがあることで、音量や明るさを変更したときに現在の設定がどのくらいであるかのゲージや、設定変更の画面が表示されるので、設定変更時に役立ちます。

XREAL Airにはこの機能が無いため、音量を変更しても、実際に音を聞かなければどのくらいの音量かわかりません(デバイス側の音量を見ればわかりますがw)し、明るさを変更しても今の明るさがどのくらいかもわかりづらいです。
また、XREAL Airは音量と明るさ以外の付加機能は少ないです。搭載されている機能は以下の通りです。

  • ディスプレイの点灯・消灯切り替え
  • オーディオモードの切り替え
    • USBオーディオモードとDisplayPortオーディオモード
  • 3Dモードの有効・無効切り替え

一方RayNeo Air 3sはOSDが搭載されており、操作した際に画面に表示されるため、こちらの方が操作性は高いでしょう。
また、RayNeo Air 3sにはいくつか付加機能も搭載されています。搭載されている機能は以下の通りです。

  • ウィスパーモードのオン・オフ切り替え
  • リフレッシュレートの切り替え
    • 60Hzと120Hz
  • ディスプレイカラーの切り替え
    • Standard
    • Game
    • Movie
  • 3Dモードの有効・無効切り替え

XREAL Airと比べて、ウィスパーモードやディスプレイカラーの変更ができるようになったのが大きな違いだと思います。

その他の違いについて

重量と視野角については、スペック表ではRayNeo Air 3sの方がわずかに優れていますが、正直、ほとんど体感できる差ではないと思います。
そのため、実質ほとんど変わらないといっても差し支えないでしょう。

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レビュー

良いと感じたところ

内蔵スピーカーの音質が良い

RayNeo Air 3sを使ってまず最初に感じた良いところは、内蔵スピーカーの音質が高いことです。

XREAL Airのレビュー記事をご覧いただくとわかりますが、XREAL Airの内蔵スピーカーは低音域が全く聞こえず、音楽を聴いたり映画を観たりするのには向いていませんでした。
私はYouTubeの動画を観るためにMacに接続して使っていて、最初は「この程度なら問題ない」と思っていたのですが、しばらく使っていると低音域が全く聞こえないのが気になってしまったため、以前ブログでも紹介したMacのイコライザーソフト「eqMac」を使って音質を調整して使っていました。

XREAL Air用にイコライザーを調節したeqMacの画面

音量が小さくなりすぎず、かつ低音もそれなりに聞こえるラインを探ったところ、イコライザーはこんな感じに設定し、音が割れないようにコンテンツに応じてゲインを調節しながら使用していました。
これでも低音はほとんど聞こえませんが、それでもないよりは幾分もマシになり、人の声なども前より聞こえやすくなりました。

このようにしてかなり設定を詰めながら使っていたのですが、RayNeo Air 3sではそんなことをしなくても、しっかりと低音が聞こえます。
というかむしろ、横向きになって寝ているときは耳がベッドにかなり近くなるため、本体の内蔵スピーカーから出た音がベッドに反射し、低音がうるさいほどに大きく聞こえますw

RayNeo Air 3s用に、BASSのみを-7.4dBに設定したeqMacの画面

そのため、横向きになっているときはeqMacを使って低音域を小さくしながら使っています。
仰向けになっているときはイコライザーをオフにして使っています。

中音域や高音域についても音質は高い方で、人の声もくっきりはっきりと大きく聞こえます。
そのため、動画再生どころか音楽を聴いたり映画を観たりしても全然使えるレベルの音質です。
こんな薄いテンプルに入っているスピーカーからこんな音が出るとは思っていなかったので、びっくりしました。

もちろん、イヤホンやヘッドホンなどをお持ちの方はそちらを使った方が音質が高いと思いますが、気軽にYouTubeの動画を観たり音楽を聴いたりする程度であれば、内蔵スピーカーで聴いても全然問題ないレベルの音質です。

ただし、音量を大きめにすると少しだけこもったような音質になってしまいます。
やはりスピーカーが小さいので、音量を上げると少々無理をしているような印象があります。
普通にYouTubeの動画を観る程度では大きい音量にする事はほとんどないので大きな問題ではありませんが、大きい音量で使うことが多い人はイヤホンやヘッドホンなどを接続して使うのがおすすめです。

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内蔵スピーカーの音量が大きい

スピーカーつながりで音量についてですが、音量が大きく聞こえます。
XREAL Airは内蔵スピーカーの音量がそんなに大きくなかったため、視聴するコンテンツによっては内蔵スピーカーの音量を最大にしても聞こえにくいことがありましたが、RayNeo Air 3sではそのようなことが一切なく、中くらいの音量でもしっかりと聞こえます。

そのため、RayNeo Air 3sを使い始めてから最大音量で使う事はなくなりました。
というか、そもそも内蔵スピーカーの最大音量がとても大きくなったので、実際に使う際は音量を1/3や1/4程度で使っていますが、このくらいの音量設定でも十分よく聞こえます。

今までは音量が小さかったので、音量の小さいコンテンツを視聴する際は地味にストレスを感じていましたが、音量を上げなくてもしっかり聞こえますし、聞こえにくいコンテンツも音量を上げればしっかり聞こえるようになるので、視聴体験は格段に良くなったように感じます。

ディスプレイが明るい

XREAL Airでも十分に明るいと感じていましたが、RayNeo Air 3sではもう1段階明るくなったように感じます。
この差は劇的ではありませんが、明るい環境で使うときにはより見やすくなったと思います。

RayNeo Air 3sでは、2つの有機ELパネルを重ねたタンデムOLEDを採用しているため、これがこの明るさに貢献しているのでしょう。

XREAL Airと比べてめちゃくちゃ明るくなったわけではないため、太陽に照らされた環境ではまだ明るさが足りないかもしれません。
ただし、室内や直射日光の当たらない屋外の明るい環境では全く問題なく見えるくらいの明るさですので、一般的な使い方では全く困る事は無いでしょう。
むしろ、そんなに明るくない環境ではむしろ眩しいと感じるくらいですので、明るさを最大にして使う事はあまりないと思います。

私は寝る前にベッドで横になりながら使っていますが、部屋を暗くしているので、明るさを最大にしているとかなり眩しいです。
そのため逆に言えば、映画を観る際は部屋を暗くして明るさを上げることで、まるで映画館で観ているような大迫力の映像体験を得られることでしょう(ディスプレイの見え方についてはXREAL Airと同じく、超大画面のディスプレイがあるように見えるわけではないので、その点では迫力に欠けるとは思いますが…)。

USBケーブルが抜けにくい

RayNeo Air 3sを斜め後ろから見たところ。右側のテンプルの先端にUSBコネクタが付いている

RayNeo Air 3sはXREAL Airとは異なり、反対側の右側のテンプルにUSBコネクタが付いています。

私は普段使う際は左側を向いて寝ながら使っているため、RayNeo Air 3sではケーブルが右の後ろから出てくることになります。
そのため、ケーブルを頭で踏んでしまうことが多く、少し動くとケーブルを引っ張ってしまうこともあります。
しかし、RayNeo Air 3sのケーブルは簡単には抜けないようになっているので、多少ケーブルを引っ張ってしまってもケーブルが抜けてしまう事はありません。

XREAL Airでも簡単に抜けてしまう事はありませんが、多少力を入れれば簡単に取り外せてしまうため、稀ではありますが、多少気をつけて使わないと誤ってケーブルが抜けてしまうことがありました。
RayNeo Air 3sの場合は結構力を入れなければケーブルが抜けないため、RayNeo Air 3sを使い始めてから今まで、意図せずケーブルが抜けてしまった事は一度もありませんでした。

使っているときにケーブルが抜けてしまうとストレスになってしまいますし、自分の場合は自分でケーブルを接続することができないので、ケーブルが抜けにくいのはとても嬉しいポイントです。

ただし、これはあくまで付属のケーブルを使った場合の話です。
RayNeo Air 3sはUSB Type-Cケーブルを使いますが、他社製のケーブルの場合、全然しっかり固定されず、多少引っ張るとすぐに抜けてしまいます。
もしかしたら、付属のケーブルには専用のロック機構のようなものが付いているのかもしれません。

RayNeo Air 3s用のケーブル単体では売っていないようでしたので、付属のケーブルが壊れてしまったら困ってしまいそうです。
付属のケーブルがすぐに壊れてしまわないことを祈るのみです…。

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長時間使っていても鼻が痛くなりにくい

RayNeo Air 3sを斜め後ろの下から見たところ。ノーズパッドの内部が空洞になっている

RayNeo Air 3sに付属しているノーズパッドは、内部が空洞になっている構造をしていてクッション性が高く、しばらく使っていても鼻が痛くなりにくいです。
XREAL Airのノーズパッドはあまりクッション性が高くなかったため、しばらく使うと鼻が痛くなることがありました。
私は連続して長めに使うことが多いので、鼻が痛くなりにくいのはとても嬉しいポイントです。

また、ノーズパッドに使われているシリコン部分が取れにくいことも嬉しいところです。
XREAL Airではシリコン部分が頻繁に取れてしまい、かなりのストレスでした(自分の手では取り付けることができないため)。
RayNeo Air 3sを使い始めてから一度も取れたことがないため、ノーズパッドのストレスから解放されたのはとてもよかったです。

テンプルがしなやか

XREAL Airはテンプルの締め付けが少しきつめで、しばらく使っているとこめかみのあたりが痛くなってしまうことがありました。
しかし、RayNeo Air 3sではそのようなことがなく、しなやかで締め付けが優しいので長時間使っていてもあまり痛くなる事はありませんでした。
また、かといって本体がすぐに下がってきたり、頭から外れてしまうようなこともなく、ちょうどいい感じに頭にフィットするように感じました。

XREAL Airのテンプルが折れてしまったのは、この締め付けの強さが原因の1つでもあるのかもしれないと思っていて、本体が下がらないようにしっかりホールドさせようとした結果、テンプルの根元に負担がかかってしまって折れたのではないかと思います。
RayNeo Air 3sの場合は締め付けが強くないため、本体やテンプルへの負荷が少なそうで、耐久性にも期待できそうな感じがします。

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残念だと感じたところ

グラス側でしか音量調節ができない

RayNeo Air 3sはXREAL Airと異なり、接続したデバイスとグラス側の音量が連動しません(USBオーディオデバイスとして認識されません)。
AndroidデバイスやWindows PCではグラス側に加え、デバイス側でも音量を変更することができます(それぞれ独立した音量調整ができます)が、iPhoneやiPad、Macの場合はデバイス側は最大音量に固定されるためデバイス側では音量変更ができず、グラス側で音量調整を行う必要があります。
私の場合は自分の手でボタン操作を行うのが難しいため、これは非常に残念なポイントだと思いました。

前世代のRayNeo Air 2sのレビューを見た際にもこのようなことが書かれていて、新しいモデルで改善されていることを期待していたのですが、残念ながらこの機能は変わらなかったようです…。

ただし、Macの場合は先ほども何度か紹介したeqMacを使うことでMac側でも音量調整ができるようになるため、私の場合はグラス側の音量を大きめに設定し、eqMacを使って音量を調整するようにしています。
このようにすることでこの問題点を回避することができたので、(多少不便ではあるものの)特別困る問題ではなかったのがよかったです。

視力矯正レンズの問題

RayNeo Air 3sを横から見たところ。視力矯正レンズが手前に飛び出ている

こちらも大きな問題では無いものの、XREAL Airと同じく、視力矯正レンズが結構近いです。
XREAL Airのレビューの時にも書きましたが、まつ毛が長い人はレンズにまつ毛が当たります。
これにより、瞬きするたびにまつ毛がレンズに触れ、レンズがすぐに汚れてしまいます…。これは地味にストレスです。

RayNeo Air 3sの場合はノーズパッドを前後に3段階動かすことができるのですが、レンズフレームはノーズパッドに固定しているため、ノーズパッドを前後に動かしたところでレンズの距離は変わりません。
そのため、グラスを少し目から離した位置に置いて使うか、レンズにまつ毛が当たるのを我慢する必要があります。

また、XREAL Airにはなかった新たな問題点として、レンズフレームがずれたり、取れたりしやすくなったことです。
XREAL Airの場合は視力矯正レンズがノーズパッドにしっかりと固定されるため、ずれることもなければ取れることもありませんでした。
しかし、RayNeo Air 3sではノーズパッドへの固定が甘く、少しレンズを動かすとレンズフレームが斜めになったり、斜めになったレンズフレームを元に戻そうと少し強めに力を入れると、レンズフレームがノーズパッドから取れてしまうことがあります。

レンズが近いのは仕方ないとしても、レンズフレームの固定についてはもう少しどうにかならなかったのかなと思います…。

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ディスプレイの品質が悪い

RayNeo Air 3sを使い始めて最初に感じた問題点として、ディスプレイの色が悪いことです。
全体的に黄色っぽいというか緑色っぽいというか、とにかく違和感がある色合いでした。
グラスの設定でディスプレイカラーを「Standard」から別のものに変えてみたのですが、それでも違和感は改善されず、ディスプレイカラーを変更するとコントラスト感も微妙な感じになってしまいました。

ディスプレイの色合いを青紫方向に調整した画面

いろいろと試行錯誤したところ、結局ディスプレイカラーは「Standard」に戻し、Macのディスプレイ設定*で色合いを青紫方向に動かして調整しました。
画面上に表示される最も明るい白色が「自分の目で白色に見える色合い」になるように調整した結果です。
こうしてみると、デフォルトの色合いが黄緑色方向に寄っていたんだなと思いました。

このように調整したことで、全体的な色合いはだいぶ良くなりました(それでも少し変な色合いな感じがしますが、強い違和感はなくなりました)。
ただし、この設定はあくまで全体的な色合いの調整ですので少し暗い色になるとまだ緑色っぽいような感じが残ります。
これ以上はどうしようもないので、色合いについてはこういうもんだと割り切って使う必要がありそうです(XREAL Airのように将来のファームウェアアップデートで改善されれば良いですが…)。

また、色合い以外にも、映像がわずかに歪んでいるように感じます。
XREAL Airを使っていたときには全く歪みを感じる事はなく、表示部分はきれいな長方形でしたが、RayNeo Air 3sでは左右がわずかに下方向(または中央が上方向)に歪んでいて、ほんの少しだけ扇形のように見えます。
歪みによって映像が見づらくなる事はありませんが、RayNeo Air 3sを使い始めた時は違和感を感じました。
しばらく使った今ではそんなに気にならなくはなりましたが、他のAR / XRグラスから買い替えようと思っている方は少し注意した方が良いでしょう。

さらに歪みだけではなく、ディスプレイ自体の視野角が少し狭いです。
ここでの「視野角」は上記の比較で見た視野角(FOV)のことではなく、ディスプレイを斜めから見たときに色合いが変わらない範囲のことです。
「AR / XRグラスのディスプレイは斜めから見ることができないから視野角なんて関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、実は視野角が狭いと、ディスプレイの中央から離れたところを見る際に気になります。
ディスプレイの中央は正面から見ることになりますが、ディスプレイの端(特に左右)は、少しだけ斜めから見ることになります。

RayNeo Air 3sのディスプレイは視野角が少し狭く、端っこなどを見る場合など、左目と右目でわずかに色合いや明るさが異なるように見える場所があります。
XREAL Airの場合はIPSパネルのディスプレイを見ているような感じでしたが、RayNeo Air 3sはTNパネルのディスプレイを見ているような感じで、特に明るさの違いが気になるため、画面の端っこにある文字を見る際などに少し見づらさを感じます(しばらく見ていると目が疲れそうな感じ)。

また、視野角が狭いことで、スイートスポット(快適に視聴できる範囲)の狭さも感じます。
グラスをほんの少し上に持ち上げて、ディスプレイを少し下から覗き込むように見ると、色合いが結構変化します。
また、グラスを左右に少しずらして斜め横からディスプレイを見ても、色合いが変化しているのがわかります。
瞳孔間距離(IPD)が広い方などは映像の見づらさを感じる可能性があります(RayNeo Air 3sではIPDを調節することはできません)。

やはり、こうした点でコストカットされているのだろうなと感じます。
ただし、前世代のRayNeo Air 2sのレビューで見たようなディスプレイの端がぼやけて見えるような感じは全くなかったため、この点はしっかり改善されているのだと思います。

実際の見え方を視覚的に表した画像。周りの世界は黄色くて薄暗く、黄緑色っぽいディスプレイの映像が中央に浮かんでいる。

実際の見え方を言葉だけでお伝えするのは難しいため、どんな感じに見えるかを視覚的に表した画像を作成しました。
外側(サングラス部分)のレンズは少し黄色っぽい色付きのレンズになっていて、周りの世界はこんな感じに黄色く薄暗く見えます。

周りが明るい環境だとディスプレイの後ろが少しだけ透けて見えます。
後ろが透けて見えて欲しくない場合はディスプレイの明るさを上げて部屋を暗くするか、何かでレンズを覆う必要があります(レンズシールドは付属していないため要注意)。

調整する前のディスプレイの色合い(「Standard」モード時)はこの画像のように、少し黄緑色っぽく見えます。
また、ディスプレイの歪みもほんのわずかではありますが、湾曲したように見えるのがわかるかと思います。

実際のスクリーンショット

参考までに、特に色合いや歪みなどに手を加えていないスクリーンショットがこちらです。
この画像と比べながら見るとどんな感じに見えるかがわかるかと思います。


* システム設定から「ディスプレイ」設定を開き、カラープロファイル一覧の中にある「プロジェクタ…」をクリックすることで色合いの調整画面を開くことができます。

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付属のケーブルが取り回しづらい

RayNeo Air 3sに付属のケーブルはXREAL Airに付属するものとは異なり、少し太めで硬いケーブルです。
XREAL Airに付属するケーブルはメッシュ素材でしなやかな取り回しやすいケーブルが付属していたので、長時間使っていてもあまり不快感はなかったのですが、RayNeo Air 3sを使い始めた時はケーブルが邪魔に感じることがありました。

また、XREAL Airに付属するケーブルよりも少し短めなので、接続するデバイスが少し離れた場所にあると少し使いづらいです(その分ケーブルの耐久性が高いと良いのですが…)。
そのため、柔らかくてもう少し長めのケーブルが付属していたらよかったなと感じました。

ディスプレイの表示によってノイズが聞こえることがある

最後は、使っていて気づいたちょっと意外な問題点です。

XREAL Airの時には一切なかったのですが、RayNeo Air 3sでは、ディスプレイに特定の画面を表示させると本体の右側から「ジー」という、虫の羽音蛍光灯のようなノイズ音が聞こえることです。
例えば、画面の半分以上が白い背景で小さな黒い文字が多く並んでいる状態や、その逆に画面の半分以上が暗い背景で小さな白い文字が多く並んでいる状態の時など、細かいものが連続して並んでいる画面を表示している時に聞こえることが多いです(スクロールするなどして画面上に表示される文字の数が少なくなるとノイズの音量も小さくなります)。
この音がスピーカーから鳴っているのかどうかはわかりませんが、右側だけしか聞こえないことから、搭載されている何らかのチップなどから音が鳴っているのかもしれません(USBコネクタが右側にあり、発熱を感じるのも右側のみのため、右側のテンプル内にメイン基板が入っている可能性が高いです)。

フルスクリーンで動画を見ているときにこのような音が鳴る事はほとんどないため気にならないことが多いですが、RayNeo Air 3sで(記事を読んだり文章を書いたりする作業など)何らかの作業をしている場合はこの音が結構気になります。

スピーカーから音を鳴らさずに静かな環境で作業したい方や不快な音が鳴って欲しくない人は要注意です。
私のように動画視聴がメインであれば大きな問題ではないと思います。

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総評

RayNeo Air 3sを斜め前から見たところ。

前モデルから低価格になって手に入れやすくなったARグラス「RayNeo Air 3s」を身体障害者が2カ月間使ってみて感じたことをレビューしました。

以前使っていたXREAL Airはかなり気に入って使っていたのですが、あまり耐久性が良くなかったため壊れやすいのが残念でしたが、今回のレビューしたRayNeo Air 3sはいくつか欠点はあれど、内蔵スピーカーの音質が良くなっていてデザイン性も高く、XREAL Airを使っていた時に感じていたノーズパッドによる鼻の痛みやUSBコネクタの抜けやすさがなくなり、今回のRayNeo Air 3sもかなり気に入りそうな感じがしました。

ディスプレイ品質の悪さについては残念ながら使い手側ではどうすることもできませんが、色合いについては使うデバイス側である程度調整することはできますし、XREAL Airを使っていた時に感じていた多くの不満点が解消されたので、個人的にRayNeo Air 3sはとても良いARグラスではないかと思います。
ただし、使っているときに片側からノイズが聞こえることがある問題はかなり気になるので、次世代モデルではここで挙げた問題点が改善されていると良いと思いました。

前世代のRayNeo Air 2sのレビューで見たディスプレイの端がぼやける問題ケーブルを抜き差しすると設定(明るさや音量など)が初期状態にリセットされてしまうといった問題点はしっかり改善されているのは評価が高いです。

RayNeo Air 3sは最新のAR / XRグラスの中ではかなり低価格な部類だと思いますが、使っている際に支障を感じるような大きな問題点はなかったため、この記事で挙げた不満点を特に問題ないと感じる人であれば、間違いなく購入することをおすすめします。
他のXRグラスとは異なり、頭を動かして見るコンテンツを楽しむ事はできませんが、はじめてのARグラスとしてや、コンパクトなディスプレイとして使いたい方にはとてもぴったりだと思います。
一方で完璧なARグラスではないため、ここで挙げた不満点に対して少しでも不安を感じる人であれば別のAR / XRグラスを選択することをおすすめします。

最後まで読んでくださりありがとうございました。それでは、また!

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